【ネタバレ】映画『何者』の感想/原作20回読破の大学4年が徹底解説

 

どーも!コバです。

 

今回は映画『何者』の感想を述べます!映画の原作は朝井リョウ氏です。

 

まず最初に簡単な内容をお伝えします。本映画は「就職活動」を舞台に揺れ動く人間模様を描いた物語です。

 

原作を5回以上読み、現在大学4年生で就活生という同じ状況にいる僕だからこそわかる、本映画の面白さを存分に語ります

 

ネタバレありなので、まだ視聴してない方は注意してくださいね。

 

1, 『何者』とは?

 

 

「桐島部活やめるってよ」など、現代の若者を主役とした物語を得意とする、朝井リョウ氏が著者です。

 

『何者』はそんな朝井リョウ氏にとって、初の直木賞受賞となった記念すべき作品でもあります。

 

映画版では、朝井リョウ氏とプライベートでも仲の良い佐藤健さんが主演を務めています。

 

その他にも有村架純さん、菅田将暉さん、二階堂ふみさん、岡田将生さん、山田孝之さんと、出演者は超豪華俳優陣が名を連ねました。

 

そして物語は大学生による「就職活動」を舞台としており、作中でTwitterが物語の大きな役割を担っているなど、若者にとってリアルで今風な描写が多いのが特徴。

 

就活をこれから経験する若者、既に経験した社会人と、すべての方が楽しめる物語に仕上がっています!

 

 

2, 感想

 

 

ネタバレ多数あり!

 

今回、あらすじは省きました。既に本作を視聴し終えた方に向けた感想記事です。なのでまだ未視聴の方は、何の情報も無い状態で見ることをオススメします!その方がラストでビックリできますよ(笑)

 

ということで早速感想を述べていきます。シーンごとに振り返りながら、随時僕なりの考察や感想を語る形式です。

 

①4人+αで就活対策スタート!

 

物語の序盤は、主人公・拓人の同居人である光太郎が、軽音サークルを引退するシーンからスタート。

 

そこで留学を終えた瑞月と再会し、瑞月の友人である里香が、たまたま拓人たちと同じアパートに暮らしていることを知ります。

 

そうして就活対策を4人でやろうと決意。里香の彼氏で同居人である隆良とも出会い、物語の序盤は進んでいきます。

 

就活は誰しもが始めての経験で、受験のようにやることが決まっていないから、とにかく不安なんです。だから友人などで集まって「全員で内定取るべく協力しよう!」……となることが多い。本作もそのように始まります。

 

僕的にESを添削しあったり、Webテストを協力して受けたり、企業の情報交換をしたり……こういう集まりは有意義だと思います。

 

しかしそれより話が深くなってくると危険です。大学時代の肩書きを自慢する人、「俺は俺らしく生きたいから」と就職しない宣言をする人…誰が1番正しいかという腹の探り合いにまで発展しかねません。

 

つまり就活で仲間と協力するのは、簡単そうで簡単ではないんです。

 

「高校生から大学生になる」ような大きな括りを出来ないのが就活です。中小企業に行くのか、大企業に行くのか、給料は高いのか、安いのか、関東か、地方か、海外か……明確な「違い」が生まれます。

 

この先4~50年の将来が掛かっているわりに、その「違い」の中で何が正しいのか誰もわからないから不安で、比べてしまう…それが就活のドロドロした部分です。

 

②ギンジと隆良、そしてサワ先輩

 

主人公・拓人は元々、演劇部に所属していました。そこで脚本などタッグを組んでいたのが「烏丸ギンジ」です。

 

ギンジは、拓人が演劇部を引退した後も一人で演劇を続けます。仲間を増やし、熱く自分らしい舞台を月1回のペースで開催。誰よりも熱い言葉と、頑張っていることを記したブログ……拓人はそんなギンジを寒いと感じています。

 

そして、とにかくカッコつけていてギンジとどこか似ている隆良。2人を同じ括りにし、痛い目で見ていた拓人に対し、バイトの先輩であるサワ先輩は「2人は全然違う」と言います。

 

「俺頑張ってるぜ!」アピールをする人は、大学生になればたくさんいます。彼らは、やっている活動・人脈の広さなどをSNSで発信しがちです。

 

そんな人たちを「イタい」「サムい」と思ってしまう拓人の気持ちはわかります。認めてほしい欲が見え見えですから(笑)

 

でもここで大切なのは、「アピールしている内容」だと僕は思います。

 

ギンジのように一生懸命行動して、そのことを発信するのか……それとも隆良のように、これから頑張るつもりのことを発信するのか……。

 

「やったか、やってないで発信するか」には大きな差があります。サワ先輩は拓人に、挑戦しているギンジと、挑戦もしないでカッコいい言葉で誤魔化してる隆良を、「同じにするな」と言いたかったわけです。

 

③地獄のグループディスカッション

 

これブログの感想で紹介されることが多いシーンなのですが、拓人と里香がグループディスカッションで同じ班になる場面です。

 

なぜこのシーンが注目すべき点なのかというと、「知人とグループディスカッション」は死ぬほど恥ずかしいものだからです!

 

基本的にグループディスカッションというものは、普段と違う自分で挑む人が多いです。

 

例えば僕は、普段積極的に意見を言うタイプでは無いです。しかし、グループディスカッションは発言しないと評価がもらえないため、声を震わせつつ意見を述べます。

 

そんな明らかに緊張し、普段よりベラベラ喋る姿を見られるのは恥ずかしいと、想像に難くないですよね。

 

しかも劇中では拓人と里香という、友人の友人関係の2人でした。なので余計に自分が曝け出されるようで、恥ずかしかったはず…。

 

とにかくそんな感じで生々しく、就活生から共感ポイントが多い注目シーンなんですね。

 

ちなみちこのグループディスカッションでは、「演劇系の企業」を受けていることがポイントです。

 

拓人は序盤に「演劇関係は受けない」と話していました。しかし実は諦めていなかったことがバレたので恥ずかしさは倍増。原作では里香が嫌味ったらしくそのことを指摘していて面白いですよ。

 

④瑞月の内定

 

就活が進む中、ついに瑞月は大手通信会社のエリア職から内定をもらいます。(このとき里香が嫌味っぽいことを言います。その内容は本作をチェック!)

 

仲間内から初めての内定者が出たことで、お祝いをする4人+隆良。そのお祝いの最中、あるキッカケで瑞月がブチ切れたことから、物語は大きく動く。

 

お母さんが精神的に不安定であり、今後の生活のため福利厚生がしっかりしている大手企業を目指していた瑞月。

 

そんな彼女が初の内定者ということで、お祝いをする他4人。

 

しかしその最中にふと隆良が「やる予定だった仕事が失くなった」ことを告げます。実は拓人の元相方ギンジと偶然出会い、仕事の企画をしていた隆良。

 

ですがしっかり煮詰めてから仕事をしたい隆良と、とにかく行動したいギンジの意見が食い違います。そしてそんなギンジを隆良は批判し、仕事キャンセルに至ったのです。

 

このときに隆良に放った瑞月の台詞が刺さります。

 

十点でも二十点でもいいから、自分の中から出しなよ

 

(中略)

 

百点になるまで何かを煮詰めてそれを表現したって、あなたのことをあなたと同じように見てる人はもういないんだって

 

その通りなんですよね。「自分は凄いやつなんだ。何者かになれるんだ」と信じられる社会人手前の大学生。特に結果を出していなくても、偉そうなことは言えちゃいます。

 

しかし、人間は行動と結果が全てです。何度も行動するギンジのような姿が正しいのであり、やる前から「あーじゃないこーじゃない」と言ってる隆良はただの臆病者です。

 

瑞月は母親との生活など現実を見つめていたからこそ、このような核心に迫る発言ができたのでしょう。原作では「妙に説得力があった」と拓人は述べています。

 

結果を出さないと認められないのが社会。大学生ならば、もう甘えることは出来ないのだと身が引き締まる良いシーンです。

 

⑤光太郎の内定

 

瑞月に続き、光太郎も目標だった出版社から内定を貰います。

 

お祝いのあとタクシーで帰る拓人と光太郎の2人。光太郎は回りくどい話の中で拓人を慰め、拓人はそれを聞き、どこか申し訳なそうにスマホを握りしめるのでした…。

 

2人目の内定者は光太郎でした。昔好きだった幼馴染に会うため、出版社を志望したという光太郎。

 

こういう風に、仲良しの友人が先に内定が決まるのって、素直に喜べなかったりします。大企業だったりすると尚更。

 

なぜなら、内定の無い自分という人間は、友人より劣っているのではないか…そう考え始めると不安になるからです。

 

思わず友人の内定先を調べて、ブラック企業だと安心しちゃったりもします。将来が掛かっているからこそ、心理的に追い詰められます。

 

「人間は弱い」ということが1番わかるのは、もしかしたら友人に内定が出た瞬間かもしれないですね。それが学べた、個人的に好きなシーンです。

 

⑥拓人と視聴者へのドンデン返し

 

タクシーで帰ったあと、里香の部屋にコピー機を借りにいった拓人。すると、画面に「大日通信 エリア職 ブラック」の検索文字が。

 

それと同時に、光太郎の内定先「総文書院 2ちゃん」を調べていたことが里香にバレた拓人。拓人のそういった斜に構えた姿勢を散々批判したあと、里香は泣き崩れます。

 

ラストのドンデン返しは、「実は拓人が1番イタい奴だった」というオチになってます。

 

里香が肩書きばかり自慢してたり、隆良が言葉ばっかりで何も行動してなかったり、ギンジが想いばかり先走っていたり……

 

そういう登場人物の「イタくて、サムいところ」を観察していた拓人が、実は1番何もしていなくて、愚かで、冷酷な奴。里香はそう指摘するのです。

 

そしてこの指摘に1番ビックリするのは、拓人だけでなく視聴者である僕たちもです。なぜなら、僕たちは拓人の視点で登場人物を眺め、「あー、こんなサムい奴いるいるw」と「観察」をしていたから。

 

里香は「アンタ」という言葉で拓人を批判しますが、このアンタには僕らも含まれています。拓人の観察に少しでも共感したあなたは「愚かな人間」の仲間入りです。

 

これが本作最大の面白さといえます。

 

「就活のあるある物語」的な話だと思いきや、急に視聴者の僕たちも参加させられ、里香にボロクソ言われる…。作者してやったりのオチになっているのですね!

 

⑦前を向いた拓人

 

里香にボロクソ言われ、裏垢まで明かされた拓人はある会社の面接を受けます。

 

そこで拓人は、赤裸々な想いを面接官に話します。その後どこか清々しい表情の中、決意を胸に会場を後にする拓人の後ろ姿と共に、主題歌のNANIMONOが流れます。

 

拓人は里香にボロクソ言われたあと、バイト先で瑞月に「演劇をしているたくとくんが魅力的だったよ」と告げられ、泣き崩れます。

 

そのあとの拓人が、良い意味で開き直っているんですよね。おそらくそれは、もう観察者でいるのでなく、自分も里香や瑞月・光太郎らと同じように「現実を生きる」と決意したからでしょう。

 

拓人は自分が無能なことを知るのが怖くて、周りを観察しながら「自分はコイツらとは違い、何者かになれる」と信じることしか出来なかった。

 

でも何もせずに「俺はやれる!」と言ってたり、「アイツ恥ずかしい」と観察してる人は、社会では無能扱いされます。

 

ただわかっていても、批判されたら・失敗したらどうしよう…。そんな怖れから一歩も動けないことなんてザラ。

 

だから強くなった拓人のように「自分を見つめ、行動する勇気」を持って欲しい。本作は視聴者にそんなメッセージを伝えていると感じました。

 

 

3, おわりに

 

いかがでしたか?映画『何者』の感想は楽しんでいただけたでしょうか?

 

拓人ら登場人物は終盤、演劇のように舞台上にいました。それを無表情で見つめ、拍手する観客。あれは僕たちです。

 

僕らは映画を見ている間は観客ですが、映画を終えれば主人公に変わります。弱くても必死に生き、荒々しい世間の波にのまれる存在。それが僕ら人間なんです!

 

人間の本質に「就活」という切り口から迫った『何者』は、Amazonプライムビデオにて無料視聴できます。学生ならばAmazonスチューデントの登録で6か月のあいだ、250円/月で映画が見放題。

→Amazonプライムビデオで『何者』を無料視聴するにはコチラ

 

また原作小説の何者、そして続編の『何様』では、映画になかったシーンや面白いエピソードが満載です。映画をみて面白い!と思ったあなたは、原作も読んでみることをオススメします。

 

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

 

 

それでは~、ダンケ!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

大学生男子。埼玉県在住。高校生の頃にSKE48にハマってから、坂道シリーズのオタに。現在ドルオタ歴7年目。映画・読書・SNS運用・就活・バイト情報に精通。「趣味+現実」の充実するブログを書き、愛と平和を満たす!